「オールダー/ジョージ・マイケル」 96年  評価3


 ソニーとの訴訟問題、プライベートでの事件があり、前作から6年が経過。この6年はやはりジョージの才能をも鈍らせたと言わざるを得ない。確かに完成度は高いのだが、淀んだ雰囲気の曲が多く、ブルーな気分の時などに流して聞く分には邪魔にはならないが、決して好んで聞こうとは思えない。

 もちろん歌唱力は抜群だし、ソウルフルな色合いもジョージ独自のものである。唯一のアップテンポの「ファストラヴ」は抜けていい曲なのに、それ以外がほぼ起伏がなく、数日経つとほとんどメロディも出てこない。元々、抜群にノリの良い曲を書ける人なのに、その才能はしぼんでしまったようだ。

 このあと、次作までになんと8年を空けてしまい、残念ながら一時期のブームで終わった人の範疇に入ってしまった。才能のあった人なのに、もったいないことだ。